女性特有の疾病は数多くありますが、中でも不妊の原因となりやすい病気について説明していきます。

ホルモン因子:卵巣・相下垂体・視床下部などからのホルモン分泌が不十分な場合や、各臓器が相互に上手く連携できていないために排卵に障害が出ます。
【ホルモン分泌は腎が深く関わっています。このため補腎を中心に治療を考えていきます。】

多膿疱性卵巣症候群: テストステロン(男性ホルモン)分泌量が多いと卵巣表面が固くなる、排卵障害となります。主に食事の偏りや肥満など原因と考えられています。
【月経には血が必要であり、生殖や月経は肝と腎がつかさどっています。また、痰湿や瘀血も関係すると考えられます。血と腎の気を補うこと、肝気の流れを整える、痰湿を取り除くこと血の流れを整えることを治療方針として考えます。】

高プロラクチン血症:乳汁産生ホルモンであるプロラクチンが高くなると排卵が抑えられるようになります。ドーパミンを抑制する薬剤の使用やストレスなどによってもプロラクチン値が高くなるといわれています。
【肝の気の乱れや血を増やして体力をつける、精神を落ち着かせることなどを中心に治療を方針を考えます。】

黄体化未破裂卵胞:黄体化ホルモン不全により卵胞が破裂せずに卵巣内で黄体化している。排卵されていないのに高温期へと移行する。
【ホルモンバランスの乱れを整えることと、排卵生殖に関係する腎を補う治療を中心に考えます。】

黄体機能不全:排卵後に卵胞は黄体へと変化し、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌して子宮内膜を厚くするように働きかけますが、黄体へと正常に変化しないと、プロゲステロンが十分に分泌されず、子宮内膜が厚くならず受精した卵が着床しづらくなり、着床しても流産になり易くなります。
【子宮内膜が十分に厚くならない時は、腎陽を補うことを中心に治療を考えます。】

卵管通過障害:卵管が細くなり卵が通過できなくなっています。
【炎症がある場合は熱を取り除き、血の流れが滞ってる場合には活血し瘀血を取り除く治療を考えます。】

ピックアップ障害:卵巣で排卵された卵は卵管采により拾い上げられて卵管に入り卵管膨大部へと送られ精子と出会うのを待つのですが、クラミジア感染症などにより、拾い上げることができないで卵が卵管へ運ばれなくなっています。
【感染症が疑われる場合は、抗ウイルス作用のあるものを使う治療を考えます。】

子宮内膜症:子宮内膜と同じ作用を持つ組織が子宮筋層 卵巣、卵管、卵巣にできた内膜症をチョコレート嚢胞、子宮筋層にできると子宮筋腺証といいます。本来であれば、月経時に増殖した内膜は剥がれ落ちて、体外へ排出されますが、組織内にできたものは月経のたびに血が溜まっていき塊となって大きくなっていきます。これが大きくなりすぎると、卵巣や卵管などに癒着するようになり不妊の原因となります。
【肝と腎の機能の失調と考え、気の巡りと血液の巡りを調整することを中心に考えます。】

子宮筋腫:子宮にできる良性の腫瘍です。多くの場合には大きな問題とはなりませんが、大きさやできる場所によっては不妊の原因となります。
【血流が悪くなっているものと考え、血液の塊を取り除くことを中心に治療を考えます。】

頸管粘液不全:子宮頸管に分泌される粘液が不足したり、精子に悪い影響を及ぼす場合があります。主に卵巣から分泌されるホルモンであるエストロゲンの不足やクラミジアなどの性感染症によりなることがあります。
【ホルモン分泌をつかさどる腎と津液などの陰を補うことを中心に治療を考えます。】

抗精子抗体:頸管粘液などに精子を異物として攻撃してしまう抗体ができて免疫反応が起きてしまい精子が子宮に侵入できなくなっています。。免疫不全やアレルギーなどが原因とされています。
【免疫反応異常は気の不足や乱れなどが原因と考え、気を補い流れを調整することを中心に治療を考えます。】

 

ひとり一人体質は異なるため、同じ診断を受けた方でも問診や舌診などにより使う処方は異なりますので、気のなる方は専門知識を持った薬剤師や登録販売者にお問い合わせください。また、専門家の解釈の違いにより処方や考え方が異なりますことをご了承ください。