糖尿病の現状

厚生労働省による、平成28年「国民健康・栄養調査」の結果によると糖尿病が強く疑われる方(糖尿病有病者)と糖尿病の可能性(糖尿病予備群)を否定できない方が共に推計人数がおよそ1000万人いるとの結果が平成29年9月21日に公表されました。

糖尿病とは

筋肉や細胞に血中のブドウ糖を吸収するように指示を出して血糖値を低下させるインスリンの分泌がなんらかの原因により不十分な為に血糖値が上昇する疾患です。

 

糖尿病の基準

正常な静脈血糖値
空腹時:70~100mg/㎗(60歳以上110mg/㎗)
食後:140mg/㎗以下(60歳以上160mg/㎗)

HbA1c(ヘモグロビンA1c) 5%以下

糖尿病(ブドウ糖負荷試験)
空腹時:140mg/㎗以上
ブドウ糖75g経口負荷後2時間:200mg/㎗以上

HbA1c(ヘモグロビンA1c) 8.2%以上
※ヘモグロビンとブドウ糖が結合したもの

糖尿病の原因と種類

血糖値を上げるホルモンには

  • グルカゴン
  • アドレナリン
  • コルチゾール(糖質コルチコイド)
  • 成長ホルモン
  • 甲状腺ホルモン など

がありますが、血糖値を下げるホルモは膵臓から分泌される

  • インスリン

一種類のみです。

このため膵臓に何らかの障害や疾患が生じ正常にインスリンが分泌されなくなると、血糖値を低下させることができなくなってしまいます。

また、血糖値を下げる方法に運動があります運動をすることで体内のブドウ糖は筋肉や細胞に吸収され、エネルギーなり消費されます。しかし、運動不足となるとブドウ糖は消費されず、脂肪になり皮下脂肪や内臓脂肪として保管されます

消費カロリーと摂取カロリーのバランスが崩れカロリー過多になると血糖値が上がります。

  • ケーキなどのスイーツの食べ過ぎによる糖質の過剰摂取
  • ラーメンなどの脂っこく味付けの濃いモノ
  • 甘みの強い清涼飲料水
  • お酒などの暴飲暴食
  • 運動不足

糖質を常に摂取しているとインスリンが常に分泌されている状態が続き体がインスリンに反応しにくくなります。この状態がインスリン抵抗性が高くなっている状態です。また、インスリンの分泌が続くと膵臓のβ細胞がインスリンを分泌する能力が低下します。このため、ホルモンのバランスが乱れる原因となります。

インスリンの分泌不足になるには様々な原因にあり、タイプが分かれています。

糖尿病Ⅰ型】:糖尿病は自己免疫疾患など原因により膵臓にあるランゲルハンス島が機能せずインスリンの分泌が不十分になります。

 

 

【糖尿病Ⅱ型】:生活習慣によりインスリンの分泌が不足したり、インスリン抵抗性が高まってインスリンへ反応が低下しブドウ糖の吸収がされなくなっています。糖質を摂取し続けると血中にブドウ糖が常にある状態となり、ブドウ糖の血中濃度が高い状態に体が慣れるようになってしまいます。こうなると血糖値が高くなってもインスリンの分泌が促進されなくなることがあります。

 

 

【妊娠糖尿病】:妊娠中は胎盤よりインスリン拮抗ホルモンが分泌されてインスリンの働きが抑制されるため高血糖になり易くなっています。高血糖は胎児に悪い影響を与えるので炭水化物や糖質の摂取に注意が必要です。

 

【その他】:薬剤によりインスリンの働きが抑えられることがあります。

糖尿病の主な症状

多尿、多飲、口渇、多食、痩せ細る、疲れやすいなどがあります。

  • 多尿:血中のブドウ糖が細胞や筋肉に吸収されず、尿でブドウ糖を排出するため尿量が増えます。
  • 多飲・口渇:尿量が増えるため水分不足になり口が乾き、水分を多く摂取するようになります。
  • 多食:ブドウ糖が吸収されずに蓄えられなくなり、糖分を補給するために空腹感が収まらず常に食べるようになります。
  • 痩せる:ブドウ糖が尿で排出されてしまうので、筋肉や脂肪、タンパク質をエネルギーとして使うため痩せていきます。
  • 疲れやすい:慢性的なエネルギー不足となるため疲れやすくなります。

 

糖尿病の合併症

糖尿病で血糖値が高いだけでは死に至ることはありません。しかし本当に怖いのは、高血糖状態が続くことにより生活に支障をきたす合併症が引き起こされる事です。糖尿病の合併症には以下のよう物があります。

網膜症:網膜の血管に詰まりが生じ網膜が損傷すると、失明の危険性が高まります。

神経障害/手足の壊死:神経伝達が阻害され麻痺などで感覚がなくなり、痛みを感じないため傷などがから雑菌が入り炎症を起こしていても気づかず、悪化し潰瘍や壊死を引き起こされる危険性が高まります。

腎臓障害:腎臓の濾過を主るネフロンが傷つき機能が低下すると、血中のタンパク質が尿に漏れ出してしまったり、毒素を取り除く事ができなくなります。また尿を作ることができなくなり身体が浮腫みが生じてきます。症状が進行すると尿が出なくなり人工透析が必要となります。

脳卒中:血液が流れにくくなるため血栓が起きやすくなります。動脈硬化になり易く、脳内の血管が詰まると脳梗塞や脳出血の原因となります。完全に詰まってはいなくても脳内の血流が悪くなると言語障害や半身まひ、しびれなどが生じて後遺症となることがあります。

心筋梗塞:心臓への動脈が詰まることで引き起こされます。糖尿病になると心筋梗塞になり易くなるといわれています。

末梢動脈障害:末梢の動脈の流れが悪くなるとや、手や足に痛みが出て運動に不自由が生じ歩行困難などになります

 

糖尿病の予防

 

糖尿病の予防は運動不足と食養生など生活習慣の見直しが基本となります。

糖質や脂質の過剰摂取を控え、適度な運動をしてブドウ糖を消費することが糖尿病予防の第一歩になります。

糖尿病が進行して合併症が発症すると人工透析などが必要となり、生活に支障をきたすようになりますので、早期から予防を心掛け糖尿病にならないように気を付けましょう。

血糖値が気になる方はぜひあけぼの漢方にご相談ください。