頭の痛み~第2回~

今回は内的要因による頭痛のお話です。

感情の乱れやストレス臓腑の失調などにより気血津液の乱れや不足が生じて引き起こされる頭痛を内的要因による頭痛といいます。

気は経絡や血液と共に全身を巡っており身体を温める働きなどを持ち肺や脾胃で作られ肝で流れを調整しています。
感情の乱れやなどにより気の流れが滞っている状態を【気滞】と呼びます。

血は血脈の中を通り全身に気や津液、栄養を運んでいます。脾胃で作られ、心で赤くなり全身に送り出され肝に蓄えられます。脾の働きの低下や食事の偏りなどにより血が不足すると【血虚】、冷えや運動不足、食生活の乱れなどにより血の流れが滞ると【瘀血】の状態となります。

津液は血脈など通り身体を滋潤しています。肺と腎が源となり脾の運化作用で全身に運ばれます。
腎の働きの低下による水の処理の低下や暴飲暴食などにより津液の流れが滞ると【水滞】の状態になります。
津液の滞りや飲食の不摂生が続くと【痰湿】へと変わり身体で重だるさなどの原因となります。

臓腑の失調による頭痛

肝の失調による頭痛:ドクドクと脈拍に合わせた痛み。

ストレスや我慢しがちな方、激しい感情の起伏がある時に痛む。肝の気の巡りを調節する働きが低下し気が停滞します。これを【肝鬱気滞】といいます。気滞が続くと肝が陽に傾き火へと変わり熱症状が出てきます。
主な症状➡眩暈、イライラ、寝つきが悪い、顔が赤い、拍動を感じる頭痛など
対処法➡ストレスなどを緩和しリラックスする時間を作ることを心掛けましょう。
処方➡肝陽を抑える釣藤鈎や天麻などと気持ちを安定させる夜交藤などを使った処方でストレスや緊張を落ち着かせます。

腎の失調による頭痛:シクシク痛み、頭がスッキリしない。

腎が衰えると髄の海である脳が養われないので、頭が痛みぼんやりしがちになります。
主な随伴症状耳鳴り(低い音)、めまい、やる気が出ない、腰の痛みやだるさ、おりものが増える、眠りが浅いなど
対処法➡老化や性生活の乱れなどにより引き起こされるので生活習慣の見直しをしましょう。
処方地黄や枸杞子などで肝や腎の陰を補い、人参、黄耆などで気を補います。冷えなどを伴う場合は附子や肉桂などで陽の気を補います。

 

脾虚による頭痛頭が重だるく鈍い痛み

頭が働かず、重だるく痛む頭痛。脾胃の運化作用が低下すると痰湿が生まれやすくなり、飲食の不摂生が長く続くと痰濁が溜まります。
主な随伴症状食欲不振、腹部膨満感、胃痛、胸やけ、痞え、軟便、下痢など
対処法➡脾は湿を嫌い胃は潤を好みます。湿とは余剰な水分や粘り気のある油のことで、肥甘厚味を避けましょう。過食や香辛料、辛みの強い食べ物は胃が熱を持ち胃陰が損傷するので控えるようにしましょう。
処方➡湿が溜まっている場合は陳皮・半夏などが入った処方で湿を取り除き白朮や人参などの処方で健脾します。胃痛などがあり、胃熱がある場合は、黄連や黄芩などの処方で清熱し胃の熱を取り除きます。

※不栄則痛~栄えざればすなわち痛む~

脾胃の失調は、気血が十分に作られずに気虚や血虚になり栄養が十分に全身に行き渡らないと肌肉や筋が養われずに痛みとななります

  • 生理中の腰痛や頭痛
  • 手足のしびれや痛み

血虚による頭痛ふらつきなどを伴う頭痛

怪我や手術、出産、月経などで身体に必要な血が不足し、すると陰も不足して虚火が生じ

、頭に熱が上り頭痛になります。
主な随伴症状めまい、動悸、疲れやすい、顔が青白い、ぼんやりしやすいなど
対処法➡出血や食事の偏りなどで血が十分に作られていないので、血肉の元となる肉類やトマトやホウレンソウなどを取るようにしましょう。
処方地黄や当帰・川芎などの処方で滋陰養血し、白朮、人参など気を補い気血生化の源である脾胃の働きを胃腸の消化吸収を高め強めます。

※脾虚:脾は気血生化の源であるため、脾胃が失調すると食べた物が十分に消化吸収されず、気虚や血虚となります。

瘀血による頭痛:慢性化してなかなか治らず、同じところが繰り返し痛む、刺すような痛み。

毛細血管に血が流れにくくなると頭痛の原因となります。瘀血は食生活や生活習慣の乱れや病気が体調不良が長期化すると生じます。
主な随伴症状めまい、物忘れ、肩こり、腫れ、シミ、顔色が悪い(浅黒い)など
対処法➡血の流れが滞り【瘀血】となっています。湯船でしっかり温まる、適度な運動をするなど、血流の改善をしましょう。
処方➡瘀血を取り除く丹参や田七、水蛭、血中の気薬と呼ばれる川芎などで活血化瘀をします。

※不通則痛~通じざればすなわち痛みとなる~

気血津液の流れが乱れ、通じなくなれば痛みとなって現れます

たとえば、

  • 上半身の気血の巡りが滞ると肩こりになり痛みを伴う。
  • 津液の流れが悪くなるとむくみが生じ頭が重だるく痛む。
  • ストレスなどで気が巡らず滞ると熱が上にのぼり、火照りや熱感を伴う頭痛となる。 など

このような場合には、気を巡らせる桂枝、滞った津液を排出する茯苓、血の流れを改善する丹参・紅花・川芎など症状に合わせた処方を使います。

一言で頭痛と言いましても様々な痛みと原因が考えられます。繰り返す頭痛やなかなか治らない頭痛でお悩みの方はお気軽にあけぼの漢方にご相談ください。