年末年始の飲み会シーズン到来!

忘新年会など宴会が続くこの季節、外せないのがお酒です。 そこで、お酒について中医学の視点で考えみたいと思います。

お酒を飲むとどうなりますか?

  1. 心拍が早くなる
  2. 体が温かくなる
  3. 顔が赤くなる
  4. 食欲が出て食べ過ぎる。
  5. 気分が高ぶり会話が弾む。
  6. のどが渇いて、さらにお酒を注文する。
  7. トイレの回数が増えたり、尿量が増える。
  8. 気分が悪くなり吐き気や嘔吐する。
  9. 立ち上がると目眩やふらつく
  10. 意識や記憶が曖昧になる。
  11. 限界を迎えると気を失うように睡眠に入る。

十人十色、お酒の飲める量やペースは違いますが、概ねこのような感じではないかと思います。

お酒とカラダの関係について考えてみましょう。

お酒と関連する臓腑

気の流れを調節する、情志(感情)を主る、解毒、血量を調整する【五志:怒】

血脈(心拍、血流)精神(意識)を主る、【五志:喜び】

脾(胃):【脾】消化と吸収を主る、水分代謝を調節する、湿を嫌い燥を好む【五志:思う】
【胃】消化を主る、潤いを嫌い燥を好む

肺(大腸):【肺】呼吸を主る、水分代謝を主る、免疫を主る【五志:悲しむ】
【大腸】水分代謝を主る、消化と吸収、便を作る

腎(膀胱):【腎】水分代謝を主る、呼吸の深さを主る、生殖を主る【五志:恐がる】
【膀胱】尿を蓄える

お酒を飲むとこれらの臓腑の働きが乱れます。

お酒(アルコール)は湿熱の邪気

基本的に日本酒、焼酎、ウイスキー、赤ワインなどのお酒は身体を温める温性と考えます。
氷のたくさん入ったの水割りやチューハイ、ビールは少量であれば身体を冷やす寒性と考えられる場合もあります。

しかし、少量であれば寒性のお酒は身体を冷やすのですが許容限度を超えてしまうと温性が強くなり熱邪となるので要注意です。

また、ほとんどのお酒がアルコール度数40%以下でビールなどは5%前後で、半分以上を水が占めています。お酒は水分を過剰に摂るため体内では余分な水分である「湿」となります。

つまり、お酒を飲むということは「湿と熱の邪気」を取り入れていることになります。

熱邪(火邪)は火のような性質を持った邪気で身体の陽気を高めます。

熱邪の特徴と飲酒による症状について見てみましょう。

熱邪の性質飲酒の症状
温める働きが強い。お酒を飲むと体が温かくなる。
上に上がる。熱が上に上る。飲み過ぎると吐き気や嘔吐をする。
活発化、亢進させる。食欲が旺盛になる。気分が高ぶる。
赤くなる、腫れる。顔が赤くなる、傷が痛む。
心拍が早くなる、血流が早くなる
動悸、呼吸が早くなる。
熱邪が盛んになると燥邪を伴う口やのどが乾く

飲み始めのころ頃は軽い熱症状が出るのですが、酒量が増えるにつれて熱の邪気は強くなり乾燥させる燥邪生み出します。深酒をすると口がカラカラになるのは燥熱の邪気によるものです。

お酒が脾胃に入ると、解毒の為に肝に送られます。すると、解毒するために肝が亢進します。肝は気血を調節していますが、肝が亢進すると多くの血が身体を巡るようになります。血が多くなると全身に送るため心の働きが活発になり、心拍が上がり動悸が出ます。心拍が上がると呼吸も早くなり肺が亢進状態になります。肺は水の上限であり腎に水を送る働きが強くなります。腎に多くの水が送り込まれ多くの尿を作ります。

人にもよりますが、少量のお酒は各臓腑の働きを活性化するので、酒は百薬の長と言われるのはこのことからですね。

酒量の増加と気の乱れ

飲酒量が増えると各臓腑の働きと連携が崩れてしまいます。肝が解毒で働き過ぎれば気の流れが乱れます、気の流れが鬱滞すると「気鬱、気滞」、気が逆流すれば「気逆」などのなります。

肝の気滞は「肝気鬱結」で抑うつ、ため息、感情の起伏が激しいなどが、胃の気逆「胃気上逆」で吐き気やシャックリ、嘔吐など、肝の気逆は「肝気上逆」で怒りっぽい、頭痛、めまい、目の充血、顔が赤いなど、肺の気逆は「肺気上逆」で喘息や咳が表れます。

肝気鬱結には肝気を流す柴胡を使った処方を使います。

お酒とむくみ

飲んでいる最中にトイレの回数が増えたり、飲みすぎた次の日に顔がパンパンに浮腫んだ経験はありませんか?
お酒はほとんどが水分で出来ているので、飲みすぎると水分の処理が追いつかなくなります。カラダに溜まった余分な水は【湿】へと変わります。飲酒などによる水分の取り過ぎは、水分代謝を担っている肺・脾・腎、これらの臓腑に負担がかかります

湿は重だるさや目眩を引き起こす原因となりますので、湿を溜めないようにに気を付けましょう。

湿を取り除くには半夏、陳皮の二陳湯を使った処方を使います。

お酒と過食

お酒が入ると胃が熱を持ち「胃熱」という状態になります。胃の働きを抑えることができなくなり、食べても満腹感を感じることができなくなります。このため普段よりも食べ過ぎてしまい胃もたれや胃痛、限度を超えると嘔吐してしまいます。

胃熱を抑えるには黄連や黄柏、黄芩、石膏などの清熱作用のある処方を使います。

限度を超えた飲酒

お酒を飲み過ぎて限度を超えると、胃気上逆による嘔吐、呼吸を主る肺気の失調と呼吸の深さを主る腎気の失調により呼吸困難、精神と意識を主る心気の昏迷による意識不明などが起き、肝が異常になると痙攣が引き起こされます。

 

お酒と感情

五臓には五志という関連する感情があります。「肝は怒り、心は喜び、脾は思う(憂う)、肺は悲しみ、腎は恐がる」と関係性が深いと考えます。

肝陽が強いタイプは怒りやすい、心が旺盛なタイプはテンションが高い、脾胃が弱いタイプは悩みやすい、肺気が弱いタイプは泣き上戸、腎が弱いタイプは物音に敏感、といった傾向が多いようです。

お酒を飲んで性格が変わる方は普段の五臓の健康状態が影響しているのではないでしょうか。

 二日酔いの主な症状

お酒を飲み過ぎて処理が追い付かずに翌日に持ち越すと、吐き気、胸焼け、頭痛、めまい、むくみ、多尿、頻尿、下痢、軟便、口の渇きなどといった二日酔いになります。

二日酔いの対処法は

  • 肝の解毒を助ける木鶏エキスや田七人参などの処方
  • 胃の症状がある場合は胃熱を取る黄連、黄柏などの処方
  • めまい、頻尿やむくみがある場合は利水作用のある茯苓、沢瀉などの処方
  • 下痢や軟便がある場合には冷えを取り湿を取り除く藿香、茯苓などの処方
  • 口やのどの渇きが強い場合は陰を補う麦門冬と五味子などの処方

これらを上手に使うと症状が早くツラい二日酔いから解放されることがありますのでお気軽にあけぼの漢方までご相談ください。

お酒はほどほどに自分のペースで適量を楽しみましょう。