中医学では陰陽、気血津液精、五臓六腑、六経、八綱弁証、六淫といった考え方があります。専門的な内容になりすぎないようにほんのり理解できる感じで解説する「ほんのり中医学」第一回目です。

第一回目は「陰陽(いんよう)」についてです。

【陰陽】は健康診断の陰性陽性、性格が陽気だ陰気だ、陰陽師などの言葉などで聞いたことがあるかと思います。一般的なイメージは、陰はネガティブ・負のイメージ、陽はポジティブ・正のようなではないでしょうか?

陰と陽を中国の漢字にするとこざとへんに月で『』とこざとへんに日で『』と書きます。小高い丘や山から月や太陽が昇るところから作られた簡体字なのだそうです。

月と太陽、昼と夜のなどように対局する関係を人体や様々な現象に当てはめて考えた概念・理論が【陰陽学説】です。

陰陽には、陰陽依存、陰陽可分、陰陽制約、陰陽消長、陰陽転化といった関係を持つ特徴があります。

陰陽太極図

陰陽基礎

まずは、どのようなものが陰と陽に分かれるのかを考えてみましょう。

これらは陰陽どちらでしょうか?

光と影、男女、寒熱、表裏、上下、右左、東西、南北、火と水、明と暗、お腹と背中、春夏秋冬、赤と青、起床と睡眠、交感神経と副交感神経、上半身と下半身

正解は

陰:影、女、寒、裏、下、左、西、北、水、暗、お腹、秋冬、青、睡眠副交感神経、下半身

陽:光、男、熱、表、上、右、東、南、火、明、背中、春夏、赤、起床、交感神経、上半身

それでは陰陽は絶対的なものでしょうか?そうではなく相対的なものとなります。これは光は単独では存在できずに影が必ず生まれる、上があれば下も生じる、上だけの存在はあり得ません。相対して比較するものがあるから存在できる。これが陰陽依存(互根)の考えです。

陰陽依存

陰陽は常に相対して考えられるため、陽の中にも陰陽が存在し、陰の中でも陰陽が存在します。例えば、昼の青空に輝く太陽は陽中の陽、太陽の黒点は陽中の陰になります。夜空に浮かぶ明るい月は陰中の陽、冬の夜は陰中の陰です。これが陰陽可分(いんようかぶん)です。

陰陽制約

陰が不足すると陽も不足する、陽が不足すると陰も不足する。陽が充実すると陰も充実する、陰が充実すると陽も充実する。陰陽は互いが行き過ぎないように働きます。陰陽のバランスが一定になるように合わせて連動する関係が陰陽対立または陰陽制約(いんようせいやく)です。

陰陽消長と転化

陰陽を併せて100とします。陰が50の時に陽は50です。陰が60に増えなれば陽は減り40になります。陰が10になれば陽は90になります。陰陽が常に一定の範囲内でバランスを取るように作用するこれが陰陽消長(いんようしょうちょう)です。

さて、1日のリズムを考えてみてください。朝6時ごろから太陽が昇って明るくなり始めます。昼12時ごろに南中し最も明るくなって徐々に暗くなり始めます。夕方6時ごろには薄暗くなり午後9時ごろには真っ暗になります。そして朝6時ごろに明るくなるというリズムがあります。このリズムのように陰陽は互いに極大になれば転化します。この関係が陰陽転化(いんようてんか)です。

 

陰陽について以上のような関係性あります。人体の陰陽の働きや関係性が乱れることで病気へとつながっていきます。

人体の陰陽については第2回でご説明します。

人体の陰陽