人体の陰陽

人体における陰陽とは何でしょうか?形質的な面と機能的な面で考えて見ましょう。

お腹と背中の陰陽は四つ足の動物が地面に立っている状態を考えます。

日にあたる部分や空気に触れる部分、外部と接触できる部分を陽、日の当たらない部分や肌肉の内部、直接触れられない部分や見えない箇所を陰と考えます。五臓六腑においては口から肛門までの臓器(腑)は外部と接触しているむき出しの状態と考えるので陽として考えます。

腑は外部に接しているので陽と考える。

陰:臓(肝、心、脾、肺、腎)、津液、血など

陽:腑(胆、小腸、胃、大腸、膀胱)、気、精など

人体の機能的な陰陽

陰陽の人体においての基本的な考えは水と火の働きです。

水は自然界では冷たく、自ら動くことはない静的なものです。生物などに潤いを与え、熱を冷まします。

火は自然界では温かく、常に動いている動的なものです。水分を蒸発させ乾燥させ、温める働きを持ちます。

人の体でも同じような働きと考えられます。

陰:体を落ち着かせる方向に働くもの、ネガティブ、安定、体温を下げる、身体を潤す、睡眠を促す、青白くなる

陽:体を動かす活動的な方向に働くもの、ポジティブ、興奮、体温を上げる、乾燥させる、目が覚める、赤くなるなど

健康な状態とは陰陽が正常に働きバランスが取れている状態であると考えられます。

陰陽の過不足

陰陽は不足すると【虚(きょ)】するといいます。

陰の不足は陰虚(いんきょ)と呼び、陰の働きが低下している状態です。熱を冷ませないためにのぼせや顔の紅潮、ほてりやイライラ、肌の乾燥、寝汗などが出やすい状態になります。

陰虚のイメージ

陽の不足は陽虚(ようきょ)と呼び、陽の働きが低下している状態です。体を温める働きが低下しているために手足の冷え、顔が白い、動きが緩慢、体調を崩しがちな状態になります。

陽虚のイメージ

※東洋医学(日本漢方)では過剰な状態を【実(じつ)】と呼び陰実、陽実の考えがありますが、中医学では邪気が盛んな状態を【実】と考えます。日本漢方と中医学における概念の違いの一つです。

陰実は中医学では使うことはありません。東洋医学では使うことがあり陰実は陰の部位、肝や血に熱が停滞している状態を呼ぶようですが、中医学においては血熱や肝火上炎などと呼びます。

陽実も然り、東洋医学では外熱による無汗の発熱状態を呼びますが、これは中医学における熱邪が盛な状態を指しています。

陰陽の概念はほんのり理解していただけたでしょうか?次回第3回目のほんのり中医学はは人体を流れる3つの要素「気血津液」についてです。

第3回 気血津液について