第3回目のほんのり中医学は【気 血 津液】について。

人体の内部に流れている基本的な物質には、気(き)血(けつ)津液(しんえき)があり生命活動の維持に於いて重要な働きをもっていると中医学では考えます。※東洋医学では気血水と呼んでいますが、ここでも微妙に異なります。

気とは体内を流れる微小な物質で六つの働きを持っていると考えます。気は経絡と血管内を血と共に流れています。

気の六つの働き

  • 推動:血液や気、津液を押し流し巡らす。
  • 温煦:身体を温める。
  • 防御:外邪から身を守る。
  • 固摂:内臓の固定や気血津液精が漏れ出すのを抑える。
  • 栄養:全身を養う。
  • 気化:物質を変化させる。

気の種類

  • 元気:に貯蔵され先天と関係が深い。腎気や精、命門の火と言われることもある。
  • 宗気:肺脾で生成され心脉、温養、気血の運行をつかさどる。呼吸と発声に関係する。
  • 衛気:体表に存在分布し温煦し防御する働きを持つ。(水谷の悍気)
  • 営気:脉内に存在し血液を作り、臓腑を営養する。(水谷の精気)

血の働き

血は血管内を流れている赤い物質で気や栄養を運びます。臓腑の働きを正常に保ち、身体を滋潤する働きを持ちます。血が不足すると臓腑の働きは不調になり身体を滋潤することができない、温煦の働きが低下する、髪の毛や肌肉、爪などが養われない、ふらつき、動悸などの症状が表れ血虚の状態になります。

血の生成

で食物が消化吸収され水穀の精微となりに送られ営気と津液によって血が作られます。そして、で赤くなりに貯蔵されます。またにより清濁を分けられ精髄が血に化しているとも考えられます。

津液とは

津液とは体内にある正常な水液のことを言います。サラサラとした粘性の低い水が津(しん)、粘り気のある粘性の高い水を液(えき)ですが両方に明確な区別はないので併せて津液と称しています。体液の総称で鼻水、涙、よだれ、つば、汗、尿、便、排泄液、滲出液などのことを示します。

五行説での木火土金水の水と紛らわしいこともあるので要注意です。

津液は脾胃で吸収され身体を滋潤し、栄養や臓腑や肌肉など全身に運ぶ、老廃物を腎に運び膀胱から尿として排泄します。

五液

(鼻水)

涙は肝の液:肝は血を蔵しています。肝の血が不足すると同時に津液が不足し目が乾くドライアイや目ヤニが増えるなどあらわれることがあります。肝は情志をつかさどっているため、情緒の乱れにより涙があふれだすことがあります。

汗は心の液:ここでの汗は心の失調による汗、精神の乱れなどによる冷や汗などを示しています。汗は肌肉皮膚をつかさどるや水をつかさどるとも関係があるので全ての汗が心と関係があるというわけではありません

涎(よだれ)は脾の液:脾胃は飲食をつかさどっています。脾気が失調するとよだれがあふれ出ることがありますが、これは気の固摂作用の低下によるものと考えられます。

涕(はなみず)は肺の液:正常であれば鼻腔は適度に潤っていますが、が冷えなどの寒邪に罹患すると透明な鼻水が出てきます。また熱邪が盛んになれば、鼻は乾燥し粘り気のある黄色い鼻水になります。

唾は腎の液:唾は涎よりも粘り気のあるものですが、涎との鑑別は難しいことがあります。脾腎両虚の場合などは下痢や軟便と伴い、水の代謝が悪くなります。の固摂作用の低下により唾が増えるとも考えられています。

気血津液のまとめ

気血津液のバランス

気血津液はそれぞれに関係性を持って成り立っています。病態が表れるときにはこれらのバランスが乱れていると考えられます。五臓六腑と気血津液の連携が正常に保たれている状態が健康な状態です。

次回は五臓六腑の基礎についてです。