タバコを止めたいと思ったら

受動喫煙防止対策を強化する健康増進法の改正が議論されている中で、喫煙に対する風当たりが強くなってきています。喫煙可能な場所も減少し、飲食店の分煙または禁煙化が進んでいます。

こんなご時世、禁煙を考えている方も多いとかと思います。元喫煙者が成功した禁煙方法をご紹介します。

タバコは百害あって一利なし」なんて言われなくてもわかっている!

現在喫煙されている方は、タバコが健康に悪いことは百も承知で吸っているでしょう。喫煙をしていると健康や金銭のたとえ話をされるかと思います。1箱500円として1日1箱30日で15,000円、年間180,000円、10年で180万円の金銭を煙に変えているなんて話も耳にタコができるほど聞かされます。「健康に悪いからやめたほうが良いよ!」なども言われますが、禁煙しようとしないのはなぜでしょうか?喫煙者はとっては吸いたいから吸う!ほかに理由はありません。

では、なぜタバコをやめられないのでしょうか?意志が弱いからではありません。繰り返し禁煙と復煙を繰り返すのも、それは禁煙に至るまでの方法を間違えているからです。禁煙するためにはタバコのことをよく理解して、タバコを必要としない身体を作る必要があります。

1.最近のタバコ事情

現在、タバコには燃焼式タバコ(紙巻きタバコ)、葉巻、加熱式タバコ(電子タバコ)、噛みタバコ、嗅ぎタバコなどがあります。主流は紙たばこですが、最近では加熱式タバコが普及してきています。

紙巻タバコとは

タバコと言えばコレ!紙巻きたばこはライターやマッチなど火が必要なタバコです。

紙巻タバコは喫煙時に700~900℃で燃焼し、ニコチンのほかに二酸化炭素(CO2)・一酸化炭素(CO)・タールなど約4,000種類以上の科学物質が含まれ約200種類以上の有害物質、50受類以上の発がん性物質が含まれています。喫煙者が吸うフィルターを通した煙を【主流煙】、燃焼時にタバコから上がる煙を【副流煙】と呼びます。

銘柄によりニコチンは0.1mq~2.3mg、タールは1mg~28mgが含有されていると箱に記載されていますが、この数値は主流煙に含まれるニコチンやタールの量を示しています。つまり同一銘柄のニコチンタールの違いはフィルターの形状の違いであってタバコの葉に含まれる数値ではありません。タバコのフィルターに空気穴を作ることで煙の濃度を薄めているに過ぎないので、穴を塞ぐなどの吸い方によっては記載の数値以上に体内に取り込まれることがあるので要注意です。

有害物質にはホルムアルデヒド、アセトン、カドミウム、ヒ素などがありフィルターを通さない副流煙にも多く含まれています。

なぜタバコを吸うのか?

タバコを吸っている方に言わせれば「吸わないとイライラするから」「吸うと落ち着くから」「味が好き」「口さみしくなるから」「いつでもやめられるし」「酒を飲むと吸いたくなる」などの意見があると思います。

そういう自分も喫煙者だった時期は、何かと吸う理由や言い訳を考えていました。非喫煙者には理解しにくいですが、タバコを止められないのは意志が弱いからではありません。ニコチン中毒、依存症になっているからです。身体が必要としているのでタバコを止めることが出来なくなっているのです。

タバコとドーパミン・セロトニン

ニコチンは体内に吸収されると血液内に入り、脳へ到達します。するとアセチルコリン受容体という脳内の情報をやり取りする器官にくっつきます。するとアセチルコリン受容体は「快感ホルモン」や「気力を出すホルモン」といわれる【ドーパミン】を分泌します。ドーパミンが分泌されると【セロトニン】が分泌されます。セロトニンは睡眠や精神の安定、幸福感などを感じるホルモンですが、ニコチンを摂取し続けると自然に分泌が出来なくなっていきます。つまりニコチンを摂取しないとドーパミンやセロトニンが分泌できない身体になってしまうこれがニコチン依存の状態です。

タバコと血流低下

この他に一酸化炭素や二酸化炭素による脳内の血流低下により、頭に痺れるような感覚やふわふわとした浮揚感みたいなものを感じることがあります。久しぶりの喫煙や強めのタバコを吸ったときにある「ヤニクラ」ってヤツです。この感覚は普段味わえない為にクセになる人もいます。末梢血管を収縮させて血流量を減らすために心拍数が低下します。興奮状態やイライラしているときに落ち着くように感じられるのはこのためですね。

タバコと嗅覚・味覚

初めてタバコを吸ったときや、数週間吸わずに久しぶりに吸ったときに臭いが強く不味く感じます。この時に時間を空けずに再度喫煙すると、不味いと感じた味やにおいが気にならなくなります。鼻の嗅覚の神経や舌の味蕾がタールなどの有害物質で麻痺をするので、通常では耐えられないようなニオイに慣れしまい繊細な味の変化やニオイに鈍感になります。すると体臭や口臭、衣服のにおいに気づかなくなってしまいます。

習慣性喫煙

喫煙者は寝起きの一服、お酒を飲みながら一服、食事中の一服、食後の一服、運動後の一服、興奮時の一服、イライラするときの一服など事あるごとに一服します。手持無沙汰になればタバコを吸う、気分の変化があればタバコ、身体を動かせばタバコといった習慣になっています。これはトイレに行ったら手を洗う、食事の前には「いただきます」、食事をしたら「ごちそうさまでした」、寝る前には歯を磨く、これらとやっていることは変わりません。習慣とは身体に染み付いた行動で無意識にやっていることなのですから。

習慣を変えることはなかなか難しいです。

加熱式タバコ(電子タバコ)

現在、加熱式タバコはIQOS、glo、プルーム・テックの3タイプあります。それぞれ専用の機械を使って喫煙をするものです。

アイコス:フィリップモリス社の製品でヒートスティックを挿して楽しむ喫煙具です。ホルダーと充電器に別れており充電器にホルダーを挿すと約6分で充電が完了します。一服あたり14吸い6分程度吸うことが出来ます。独特のニオイがあり好き嫌いが分かれます。主流煙は水蒸気と言われていますが、どうやらタールが含まれているようです。吸う時だけ加熱するので副流煙は紙巻きたばこに比べて少なくなっています。ニコチンは1mg強含まれています。タバコに近い感覚なので紙巻きタバコからの移行は違和感が少ないかと思います。

glo:ブリティッシュ・アメリカン・タバコ社のネオスティックを挿して楽しむ喫煙具です。充電式の一体型になっています。紙巻きタバコのピアニッシモやバージニアスリムくらい細いスティックです。喫煙時間は45秒加熱して2分30秒間吸うことができます。タバコ味とメンソールがあり、様々なフレーバーが用意されています。吸った感じは最初はしっかりと味がするけれど、ガムを噛んでいると味がしなくなるように次第に味がなくなっていきます。
gloの主流煙にはタールは含まれていないようです。フィルターやティッシュなどでチェックしても茶色くなることはありません。しかし、挿入部の奥やメンテナンス時に綿棒を使うと茶色い汚れが付着します。これはフィルターを通してない水蒸気には多少はタールが含まれているということでしょう。

個人的にメンソールが好きだったので強い刺激があり好みの味でした。しかし、タバコ味の方は辛みが強くおいしくない、正直言って吸えませんでした。これがきっかけでタバコを止められたって言っても過言ではないかと思います。ニオイがポップコーンや焼き芋のような香ばしい香りがします。好き嫌いはあるかと思いますが、ニオイは残りにくいです。

プルームテック:JT社から販売されているプルームテック。これはタバコ葉の粉末などを入れたカプセルにグリセリンの蒸気を通してニコチンを摂取るものとなります。IQOSやgloと大きく異なるのが加熱するものがタバコの葉を直接加熱せず高温にならないので、燃焼や高温による有害物質やタールが発生しないところにあります。ニオイはほとんどないと言われています。実際に使用したことはないので具体的な使用感のコメントは今回は控えます。

IQOSもgloもどちらにも共通する部分はタバコからニコチンを含んだ水蒸気を出すためにグリセリンが使われていることです。加熱温度は240℃以上ですので何らかの化学反応が生じているのだと思われます。ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどが主流煙に含まれているので、完全に無害というわけではなく減少していることに注意です。

また加熱式は燃焼を伴わないので二酸化炭素と一酸化炭素は発生しません。タールの量も減少しています。副流煙に関しても加熱式タバコのほうがニコチンなどの影響が少ないようです。火がないので衣服に穴をあけたり、灰で火事になったりといった危険も避けることが出来るようになります。

検出されるニコチンなどのデータについては厚生労働省のホームページに科学的知見が記載されています。

※1mg=1000μg

データによると紙巻タバコに比べて加熱式タバコの主流煙(吸う煙)に含まれるニコチン量は

<以下 厚生労働省ホームページ 受動喫煙対策http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000189195.html

より抜粋転載>

加熱式タバコのメリット

  • ニオイが少ない
  • 二酸化炭素、一酸化炭素が出ない
  • 火を使わないので安全
  • glo、プルームテックはニコチン摂取を軽減できる※IQOSはニコチンを含有する。
  • タールが劇的に少ないので部屋や空気が汚れない

デメリット

  • 少ないが
  • ニオイはある
  • 充電が切れると吸えない
  • ニコチンは微量でも含まれる
  • 金銭的に変わらない

禁煙方法

禁煙外来:病院で治療することが出来ます。ニコチン受容体を阻害する薬やニコパッチなどが処方されます。禁煙に関連する体重の変化や生活について指導してもらえます。

ニコチン代替:ニコチンガムなどでタバコからではないものでニコチンを摂取します。

タバコ代替:VAPERや禁煙パイポ、ガムや飴などで口さみしさを紛らわせる。ごまかしてるだけです。

気合でやめる:タバコなんて止めてやる!と心に決めて吸わない時間を長くしていく。正直しんどいしリバウンドしやすい。

このような方法があるかと思います。

禁煙を成功するためには、まずニコチン依存の状態からの離脱が重要です。禁煙に失敗する要因はニコチン依存からの脱却に失敗していると考えます。

ニコチンは48~72時間で体外に排出されます。しかし、ドーパミンやセロトニンの分泌がされにくくなっている状態です。このためタバコを吸いたい欲求が生まれてしまいます。さらに不足していたニコチンを摂取しようと本数が増える、タバコがやめられなくなる。リバウンドして負のスパイラルに陥るわけですね。

毎日の習慣でやっていたことを急にやめれば身体や精神に影響を与えるのは当然ではないでしょうか?禁煙をするために必要なことは、タバコをやめようとする強い意志ではなくてタバコを必要としない身体に変化させることです。

本当にタバコを止めたいと思ったなら次の方法を実践してみてください。

  1. カートンでの購入をやめる。面倒でも予備は持たない。
  2. ニコチンの軽いモノに変えない。~~ワン、~~ライトの響きに騙されない。
  3. 目が覚めた時のとりあえず一服はやめる。
  4. 寝る前の一服はやめる。
  5. 吸う場所を限定する。ベランダだけ、喫煙所だけ、換気扇の下だけなど
  6. 好きな銘柄を買わない。最初は併用でもよいので、あえて苦手な風味で軽めのタバコを吸う。
  7. 電子タバコに移行する(gloおすすめ)。最低1か月電子タバコだけにしてください。1週間ほどで黒い痰や汚いものが出てくるようになります。2週間ほどで咳やのどの痛みが減少します。周囲のタバコのにおいが気になり始めます。
  8. 1か月後普通のタバコを吸ってみる。嗅覚や味覚が正常に戻っているので臭くて不味くて吸えたもんじゃなくなってます。
  9. 電子タバコのフレーバーを好みじゃないものに変える。
  10. 不味いものを続けて吸うことが苦痛になれば離脱もあと少しです。
  11. 吸いたくなったらミンティアやフリスクなどを食べる。正直これでいいやって思えればgood!です。
  12. 1日や半日禁煙の練習をします。あれ?タバコなくても大丈夫じゃね?と思い始めます。
  13. 喫煙所や喫煙者の近くにいるとニオイと煙に耐えられなくなっています。
  14. タバコくせー!!電子タバコの充電とかめんどくさい!と思ってきたら成功です。
  15. 気が付くと嫌煙者になっていることでしょう。

禁煙は死ぬまで続けて禁煙成功です。一時的な禁煙は休煙です。禁煙する!と宣言すると復煙した時に周囲から意志の弱いやつだとか、信用を失う危険性がありますので気を付けましょう。言葉一つ「最近たばこを吸わなくなった」というだけで印象も気持ちも変わるので気が楽になります。

まずはタバコを止めようと思うことが大事です!止めない理由などを口に出しているうちはやめられないのは当たり前です。

飲み会など喫煙者との付き合いで吸うこともあるでしょう。1本までならその後1週間ほど気を付けていれば習慣にはならないとおもいます。2本目からは臭いや煙に身体が慣れるので喫煙習慣が復活するので心して吸いましょうね。

日本でタバコは違法ではありません。嗜好品ですので止める必要は全くありません。吸うも吸わないも個人の自由です。場所と周囲に気を付けてルールのなかで楽しむようにしましょう。