秋に入ってから眠れないなどのご相談が増えてきていますので、睡眠について簡単に説明をします。

理想の睡眠

睡眠は人それぞれですが、一般的に良いとされる睡眠があります。

  • 布団に入り眠ろうとして10分程度で眠れる。
  • 22時から2時の間には眠っている。
  • 睡眠時間は6ー8時間
  • 寝汗をかかない
  • 夜間トイレで目が覚めない
  • 小さな物音で目が覚めない
  • 悪夢で目が覚めない
  • 夢をよく見ない
  • 夜間に目覚めてもすぐに寝直せる
  • 朝は無理なく目覚められる
  • 眠り足りない感じがない

「スッと睡眠に入り、グッスリ眠り、パッと目覚める」
睡眠において寝つき、眠りの深さ、目覚めのいずれかでお悩みの症状がある場合を「不眠」と言います。

「不眠」で多いお悩みには、
入眠障害
・中途覚醒
・多夢、悪夢
・覚醒障害
・夜間尿
などがあります。
心療内科などでは精神安定剤や睡眠導入剤が処方されることが多いです。市販の睡眠改善薬などもあります。
これらは原因を改善していない為「服用を止めると眠れなくなる」といったことが多く、長期服用することで「お薬なしでは眠れなくなった」という方や「お薬を飲んでるからぐっすり眠れています」という方が結構いらっしゃいます。
タバコがないと落ち着かない、お酒がないと眠れない、覚せい剤がないと震えが止まらない、スマホがないと生活ができない、などこれらはすべて「○○依存症」と呼ばれます。つまり「睡眠薬がないと眠れない」これは「睡眠薬依存症」と言っても過言ではないでしょうか?

睡眠のメカニズム

睡眠は脳の活動を休め疲労を回復し身体を修復するために必要なものです。

いくつかの条件が重なると睡眠状態に入ります。

1 体内時計によるリズム
2 体温変化
3 睡眠に関係するホルモンの分泌
4 自律神経の切替
などの要因がかみ合うと眠気が出て、睡眠に入ることが出来るようになります。

起床後、日光を浴びてから15時間後にメロトニンが分泌され、起床後15時間ほどで脳の思考能力も低下し始めます。この時間帯に体温の低下がったり、副交感神経が優位になっていると眠気がきて、睡眠状態に入るようになっています。
6時に起床される方は15時間後の21時が睡眠に入りやすい時間帯になります。
10時に起床される方は25時(深夜1時ごろ)まで眠くなりにくいということにですね。

自律神経の働き

交感神経:活動時に優位になる
心拍数が上がる、消化器の動きが低下する、涙が減る、水分代謝が落ちる、汗をかく、呼吸が浅く早くなる

副交感神経:リラックス時に優位になる
心拍数が下がる、消化器の働きが活発になる、涙が分泌される、水分代謝が上がる、汗をかきにくくなる、呼吸がゆっくり遅くなる

睡眠ホルモン・・・メラトニン セロトニン トリプトファン
覚醒ホルモン・・・副腎皮質ホルモン

睡眠時のリズム

レム睡眠:脳は覚醒していて骨格筋が弛緩している状態
ノンレム睡眠:脳が休止状態で筋肉の活動は休止していない状態、筋肉をストレッチしている状態

初期45分-60分で深い眠りのノンレム睡眠に移行(脳が休まる)
1時間から2時間で浅い眠りのレム睡眠に移行(目覚めやすい)
90分-110分周期で交互に移行する

◎入眠障害の原因

メラトニンの分泌不足の原因
・日光に当たらない生活を続けていると体内リズムによる分泌が行われないようになる。

・メラトニンの原料となるセロトニン不足、セロトニンの原料となるトリプトファン不足、トリプトファンの原料となるアミノ酸・タンパク質の不足により、セロトニンやメラトニンが生成されにくくなる。またはミネラル不足や糖鎖栄養素の不足により受容体の働きが低下する。

・ブルーライトによるメラトニンの分解、テレビやスマホ・PCの画面より発せられるブルーライトはメラトニンを分解する可能性があるので、睡眠前のテレビやスマホなどは控えるか、ナイトモードでブルーライトを低減させましょう。

自律神経の切り替え不調
・交感神経と副交感神経の切り替えの失調やバランスが乱れることによるもの
・精神的な不安やストレスによる交感神経が優位な状態が続く
・食生活や飲酒による自律神経の失調

栄養不足(ミネラル・ビタミン・タンパク質)による
・睡眠時に脳の休息や身体の修復に必要な栄養素が不足するため修復不全の状態で覚醒し活動に移行する。
・睡眠時にも内臓や脳は活動しているのでエネルギーを必要とします。300~400kcal消費されかけそば1杯と同量程度のカロリーを消費すると言われています。
胃腸の調子が悪く栄養を吸収できない方や、疲れすぎて眠れないのはエネルギー不足による場合も考えられます。

◎良い睡眠を得るために出来る事

起床後に日光を浴びる:体内時計を調節するため。

日中の程よい運動:自律神経のバランスを整える。

体温調節:低体温や温度変化が少ないと自律神経の切り替えが乱れる。睡眠の1時間ほど前に軽いストレッチや入浴や温かい飲み物を飲む。または漢方などによる体質改善。

バランスの良い食事:ミネラル、ビタミン、タンパク質などを考えて摂取する。睡眠の4時間前には食事を終わらせる。胃の中に未消化物が多いと歯ぎしりや中途覚醒などの原因になります。

睡眠環境を整える:布団、枕、寝間着、カーテン、テレビ、スマホ、照明、音楽、アロマなどリラックスできる環境を整える。

ストレスを溜め込まない:悩み事や考え事はなるべく早く解消する。

睡眠4時間前のカフェインや辛いモノなどの刺激物は控える:カフェインの半減期は4時間程度とされ、20-30分程度で吸収される
1日摂取限度量目安(成人400mg小児90mg妊婦200mg)【ドリンク100㎖中のカフェイン含有量目安 玉露(160mg)エナジードリンク(70mg)コーヒー(60mg)紅茶(30mg)ウーロン茶・煎茶・ほうじ茶(20mg)コーラ(10mg)デカフェコーヒー(0mg)】

唐辛子などの辛いモノには、心拍を上げる・呼吸を早くする・発汗を促すなど交感神経を優位にする働きがあるので控えましょう。

これらの生活習慣を見直しても睡眠の質が改善しない場合には漢方薬による体質改善や食生活を見直す必要がありますのでご相談ください。